ライフラインと計量のコーナーFestival of The Measurement Day

ライフラインと計量のコーナー

水道・ガス・電気メーターの検定の有効期間 子メーターについて

水道と計量 ガスと計量 電気と計量


わたしたちのくらしを支える水道、ガス、電気。
これらは市民生活の重要な基盤なので、ライフラインと呼ばれています。

これらを使用した場合には、わたしたちは使用量に応じて料金を支払っています。
使用量は、電気・ガス・水道の供給事業者が使用料金の算定の目的で各家庭に設置した水道メーター、ガスメーター、電気メーター(電力量計) で計量しています。

これらのメーターは、正確に計量する必要があるため、計量法により、検定に合格したものだけが使用料金の算定用として使用することができる仕組みが規定されています。

このコーナーでは、これらのライフラインと計量についてご紹介します。



水道・ガス・電気メーターの検定の有効期間


 みなさんのご家庭で使用している水道・ガス・電気メーター。これらのメーターが定期的に新しいものに交換されていることをご存知ですか?

 水道・ガス・電気メーターは、水道・ガス・電気の使用料金を算定するために使われます。計量法では、このように主に取引に使用される計量器を特定計量器と定めて規制しています。特定計量器は、法定の基準を満たしていることを示す 検定証印又は基準適合証印(下図参照)が付されたもの以外は、取引に使用できません。

 検定等に合格した正しい計量器でも、一定期間使用すると法定基準以下に性能が劣化してしまうものがあります。水道・ガス・電気メーターもこれに該当します。これらのメーターは各ご家庭のメーターボックス等に設置され、使用量も各家庭で極端には違いません。そのため使用環境が一定で性能の劣化が一様な計量器なので、検定の有効期間が次のとおり定められています。

★ くらしに身近な「検定の有効期間がある計量器」の一例

水道メーター(8年)、ガスメーター(10年、7年)、電力量計(10年、7年、5年)、自動車等給油メーター(7年)、騒音計(5年)、振動レベル計(6年)、濃度計(2年、6年、8年)、自動はかり(2年、6年)

※ 機種により有効期間が異なります

 検定等の有効期間を過ぎた計量器は、取引や証明の用途には使用できません。そのため、有効期間内の検定証印等が付された新しい計量器に交換するか、修理して新たに検定証印が付されたものを使用しなくてはなりません。


子メーターについて


 戸建て住宅や多くの集合住宅などでは、直接電気・水道などの供給事業者と契約して、これらの事業者が所有管理するメーター(親メーター)を使用して使用料金を決定しています。これとは異なり、商業ビル・貸しビルやアパート・寮などの一部の集合住宅では、建物の管理者が設置したメーター(子メーター)で、入居者の光熱水費の使用量を計量して、光熱水費を徴収しています。これらの子メーターも当然検定に合格したものを使用しなくてはなりません。

 これらの子メーターにも、計量法で検定有効期間がそれぞれ定められていますので、未検定品や有効期間の切れたものを料金精算に使用することはできません。建物の管理者はこのことに十分注意し、適正なメーターを使用しなくてはなりません。

子メーターについての詳細はこちらの東京都計量検定所ホームページをご覧ください。


水道と計量


 東京の水道は、東京都水道局や市町村の水道部等が供給しています。水道水の使用料金は、各家庭に設置されている水道メーターで使用量を計量して算定しています。

 普段と同じ生活をしているのに、水道の使用量がいつもより増えたと感じる場合、調べてみると配管や蛇口からの漏水が原因となっていた事例がみられます。

水道メーターで漏水を発見する方法

 漏水は、始めのうちはわずかでも、日ごとに量が多くなり、貴重な水が無駄になるばかりでなく、料金も高額になりますので早期発見・修繕をお願いいたします。

 水道を使用していない状態で水道メーター上のパイロット(下図参照)が回転しているときは、メーターから蛇口までのどこかで漏水している可能性があります。

 漏水箇所が不明な場合は、東京都水道局お客さまセンターにご連絡ください。

水道メーターのパイロット

水道局二次元コード漏水に関して詳しくはこちら(水道局ホームページ)


東京都の水道全般について詳しいことは、東京都水道局ホームページをご覧いただくか、お住まいの自治体の水道所管部署へお尋ねください。


ガスと計量


 東京では、ガスはガス供給事業者からの都市ガスか販売事業者からのプロパンガスが使われています。ガスの使用料金は、各家庭に設置されたガスメーターで使用量を計量して決定しています。

 家庭用のガスメーターの検定の有効期間は10年なので、10年ごとにメーターを交換しています。

 現在、ご家庭で使用されるガスメーターの主流は、マイコンメーターと呼ばれるメーターです。

マイコンメーター

 都市ガスやプロパンガスは引火性が高く、災害時にガス漏れがあると非常に危険です。
そのためガスメーターには、計量器の機能以外に安全機能が付加され、マイコンメーターと呼ばれています。

 ガスの流れや圧力等に異常が発生した場合や地震を感知した場合にガスを遮断する機能を持っています。


ガスメーターについて、詳しいことは日本ガスメーター工業会のホームページ、
またはご使用のガス供給事業者、販売事業者にご確認ください。


電気と計量


〇 送配電部門の法的分離って何をするの?

 2020年4月より、各電力会社において「送配電部門の法的分離」が実施されています。

 電力会社には、大きく分けると

  •  電気をつくる「発電」部門
  •  つくった電気を使う場所まで届ける「送配電」部門
  •  家庭や工場などに電気を売る「小売」部門

の3つの部門があります。このうち「送配電」部門を別の会社にするのが送配電部門の法的分離です。

発送電分離の図

 「電力自由化(電力小売全面自由化)」は知っている方が多いと思いますが、送配電部門の法的分離もこれと同じく「電力システム改革」の一部です。電力自由化は、自由に電力会社を選べるようになり、さまざまな料金プランが出現するなどしたため、みなさんの関心が高かったかもしれません。送配電部門の法的分離は、電力自由化のような分かりやすい変化はないかもしれませんが、中立性の確保のために必要であり、電力システム改革を進める上でとても大切なことです。

 送配電部門の法的分離とはどんなことなのかを、もう少し詳しく見てみましょう。

(1) 電力システム改革とは?

 「電力システムに関する改革方針」(平成25年4月2日閣議決定)において、(1)広域系統運用の拡大、(2)小売及び発電の全面自由化、(3)法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保という3つの柱が示されました。

 この改革方針に従い、次の通り実施されることになりました。

電力システム改革

(2) なぜ送配電部門の法的分離が必要なの?

 電力小売全面自由化により、「小売」や「発電」を行う事業者は増えましたが、「送配電」については、新たに変電所や鉄塔、電線などの送配電網を整備することは非常に困難であり、公共性の高い事業であることから、すでに送配電網を維持・運用している地域の電力会社が受け持つことになっています。

 しかし、そのままでは、送配電網を持つ電力会社と送配電網を借りることになるその他の事業者が同じ環境とはいえません。そのため、送配電部門を別会社にして(送配電部門の法的分離)、どの発電及び小売事業者も公平な環境とする必要があります。

(3) 送配電部門が分離されると何が変わるの?

 発電と送配電が別会社となるため、発電会社と送配電会社との間に取引が発生し、取引した電力をはかる必要があります。

 この場合も、一般家庭で電力をどれだけ使ったのかをはかるのと同じく、電気メーターが使われます。

(4) 変成器とはどんなもの?

 はかる対象となる電力(電圧・電流)がとても大きい場合、電気メーター単体では電力をはかることができないため、変成器を使って、電力を電気メーターではかることができるような大きさにしてあげる必要があります。

 電圧を変えるために使われるのが変圧器、電流を変えるために使われるのが変流器、変圧器と変流器を総称したものが変成器です。その大きさや形は用途によってさまざまです。

 取引に使われる電気メーターは、検定に合格していなければなりません。また、電気メーターと組み合わされる変成器も、その性能が問題ないことを確認し、電気メーターとの組み合わせが、決められた誤差に収まることを検査して、合格する必要があります。

 発電所などで使われる変成器は特に高電圧、大電流を扱うため、とても大きく、移動が困難です。そのようなときは、設置場所や製造している工場などで試験をする場合があります。

〇 電気に関する単位には どんなものがあるの?

 一口に電気と言っても、「12V(ボルト)のバッテリー」「30 A (アンペア)のブレーカー」「500 W (ワット)の家電製品」「今月の電気使用量は250 kWh (キロワットアワー)だった」など、いろいろな単位で表されることがあります。

 単位には非常に多くの種類があり、なかには似ている単位もあります。 電気にも似た表示の単位があり、中には混同しがちなものもあります。そのうちのひとつが、WとWhです。 どちらも電気をはかる単位であり、数字が小さい方が省エネになるということで、同じように思われるかもしれませんが、この2つは別のことを表しています。

 省エネや節電について考える時には、この2つをしっかりと理解しておくことが大切です。

(1) 電気の単位 

Ⅰ. V (ボルト)・・・・・・電圧

 ボルタ電池を発明したイタリアの物理学者ボルタ[Alessandro Volta]の名前が由来です。

 日本の家庭では、主に100 Vの電気が使用されています。 発電所からは何万Vもの高い電圧で送電されますが、変電所等を経由して徐々に低い電圧に落としてから家庭に届けられています。 ちなみに、一般的な乾電池の電圧はもっと低く、1.5 V(充電式の場合は1.2 V)です。

 また海外では240Vなどの高い電圧が使われているので、日本の家電製品を海外で使うときには、変圧器などを使用する必要があります。

Ⅱ. A (アンペア)・・・・・・電流

 電磁気学の基礎法則を発見したフランスの物理学者アンペール [André-Marie Ampère]の名前が由来です。

 電圧が一定であれば、A の大きさによって同時に使える電気の大きさ(電力)が決まることになります。

Ⅲ. W (ワット)・・・・・・電力(仕事率)   W =V (電圧) × A (電流)

 イギリスの発明家で蒸気機関の改良を行ったワット[James Watt] の名前が由来です。

 瞬間的な電力の大きさを表すときに使います。ピーク電力を下げるには、同時に使用するWを下げる必要があります。

Ⅳ. Wh (ワットアワー) ・・・・・・電力量  W (電力)× h (時間)=Wh

 使用した電力の総量を表すときに使います。

 電気料金の算出にはこの値が使用されます。電気料金を減らすには、Whを下げる必要があります。

いろいろな電気の単位

(2) 電力と電力量

 省エネや節電への関心が高まり、省エネ家電製品の購入や家庭の電気使用量のチェックなど、WやWhの数値を目にする機会が増えているのではないでしょうか。

 W(電力) とWh(電力量)の違いについて、省エネ、という観点から見ていきましょう。

 夏季や冬季の電力需要が増大する時期には 「でんき予報」などで電力会社のピーク時供給力や現在の使用量などが公表されますが、この数値はkWです。 ピーク時の節電に協力するためには、不要な照明を消したり、エアコンの設定温度に配慮したりするなど、今使っている電気を減らしてkWを下げることが必要です。

 一方、地球温暖化対策などの省エネという観点からはWhの削減も必要です。Whはある一定時間に使った電気の総量で、Wの積み重ねで出てくる数値です。

 同じ時間使うのであれば、Wが小さい方がWhも小さくなり、省エネですが、Wが1.5倍でも使用時間が半分ならその方が省エネになります。パワーがあれば使用時間が短くなるドライヤーや掃除機などは別ですが、テレビや冷蔵庫など使用時間がパワーに左右されない機器はWが小さいことがWhの削減につながります。もちろん、テレビなどの使用時間を減らすことでWhを減らすことも大事ですね。

 電力需要のピーク時間帯への協力についてはWを下げること、CO2削減や電気料金を減らすためにはWhを下げることを覚えておいてくださいね。

※ 最近の冷蔵庫やエアコン等の製品は、インバーターなどにより、最大消費電力以下で動作している場合も多く、製品に表示されている消費電力(W)の大きさと時間だけではWhは計算できませんのでご留意ください。


電気メーターの検定または計器用変成器の検査について、詳しいことは日本電気計器検定所(JEMIC)のホームページをご覧ください。

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