食品と計量のコーナーFestival of The Measurement Day
栄養成分表示の測定 自動はかりの紹介 お米の検査 東京都の取り組み
私たちの身の回りでは、様々な計量が行われています。
その中でも特に食品の計量は、皆さんにも関心が高いことと思います。
そこで、このコーナーでは、食品と計量についていくつかご紹介します。
栄養成分表示の測定
食品表示法の食品表示基準では、原則としてあらかじめ包装された一般消費者用の加工食品および添加物に栄養成分表示をすることを義務付けています。また、生鮮食品についても、任意表示の対象となっています。
一般消費者用の加工食品の場合には、次のように決められています。
栄養成分表示をする場合、
となっています。 |
表示値は原料からの計算や類似食品かの推定値などの選択も可能です。
その際には、正確な栄養成分表示のためには適正な計量値や分析データに基づく表示値の確定が必須です。
栄養成分表示の詳細については、東京都福祉保健局「食品衛生の窓」をごらんください。
消費者庁では、栄養成分等の分析方法について、次のように示しています。
栄養成分の分析方法(「基本5項目」抜粋) 1 熱量 2 たんぱく質 3 脂質 4 炭水化物 5 ナトリウム(食塩相当量) |
これらの計量、計測、分析のために、質量計、温度計、浮ひょう、光度計やなどの計量器、試験管、フラスコ、ビーカー、ピペットなどのガラス製の機器、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ、誘導結合プラズマ発光分析装置様々な科学機器が使用されています。
科学機器についてお知りになりたい方は、一般社団法人東京科学機器協会のホームページをご覧ください。
自動はかりの紹介
平成29年10月1日から、「自動はかり」が計量法で定める特定計量器※に追加されました。
⾃動はかりとは、大量の製品を計量する食品の製造工場や製粉・精糖工場などのプラント等で使用されるはかりです。
※ 計量法上の特定計量器は、「一般的に取引・証明に使われるもの、消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造や性能にかかる基準を定める必要がある」18機種が規定されています。
●自動はかりとは
「計量結果を得るために所定のプログラムに従って動作し、計量過程で操作者の介在を必要としないはかり。」に該当するはかりのことを⾔います。
操作者の介在とは、単純な被計量物の載せ降ろしをする⾏為のみではなく、内容量などが⽬的の設定量か否かの判断や、設定量に達するため常に⼿動で操作することなどを⾔います。
今後は、これらの自動はかりを取引や証明に使用する場合には、検定に合格していることが必要になります。
詳細は、経済産業省HPの「計量制度の見直し」をご確認ください。
ちなみに、私たちが普段使っている体重計やキッチンスケール、お肉屋さんやデパ地下などで目にするはかりは、非自動はかりと呼ばれます。
主な自動はかりには、「⾃動捕捉式はかり」「ホッパースケール」「コンベヤスケール」「充塡⽤⾃動はかり」があります。
●自動捕捉式はかり(キャッチウェイヤ)
箱物、袋物、缶などの包装形態で計量を行う。欠品等の判別や異物混入の選別する機能も備えているタイプもある。
【主な計量対象】・加工食品、飲料、薬品等
●ホッパースケール
各種原料等をホッパーに流入している状態で質量を計量し、一定量(設定量)に達するとホッパーから下流へ排出。
【主な計量対象】・穀物類、配合飼料等(大容量が中心)
●コンベヤスケール
ベルトコンベヤで連続輸送される原料および製品の受け渡しの際に計量。
【主な計量対象】・鉱物類、穀物類、飼料等
●充塡⽤⾃動はかり
各種原料および製品を、一定の質量に分割して袋、缶、箱などの容器に充てん。
(ランダムな質量を取捨選択して目的の質量にするタイプもある)
【主な計量対象】・食品、粉体、飼料、薬品等(小容量中心)
自動はかりについては、こちらのホームページも参考にしてください
経済産業省計量行政室「計量制度の見直し」
株式会社イシダ ホームページ
株式会社寺岡精工 ホームページ
お米の検査
私たちの主食のお米は、どのような検査が行われているのでしょうか。
販売されているお米の袋には、食品表示法により「名称」「原料玄米(産地、品種、産年、使用割合など)」「内容量」「精米時期」「販売者」を表示することが義務付けられています。
お米の食品表示の詳細は、東京都福祉保健局「食品衛生の窓」をごらんください。
お米は計量法でも特定商品に定められていいます。
お米を密封して計量販売する際には量目公差と呼ばれる不足の許容誤差(内容量1kg超 25kg以下の場合、内容量の1%の不足まで許容されます)の範囲で計量して「内容量」と「計量者(氏名・名称と住所)」を表示することを義務付けています。
「原料玄米」の検査は、農産物検査法という法律にもとづいて実施され、この農産物検査と呼びます。
農産物検査は、生産する場所や生産方法の違いによって、品質が違ってしまう農産物を安心して取引できるように行っている検査です。
全国で統一された規格により、品位(1等~3等の等級)、年産(生産された年)や銘柄(○○県産コシヒカリなど)などの証明を行います。
農産物検査では、産地や銘柄も証明されることから、消費者がお米を購入する際の重要な判断材料となって、お米の袋に表示された銘柄や年産の表示の基礎にもなっています。
なお、以前は国(食糧事務所)が農産物検査を行っていましたが、平成13年から農協や(一財)日本米穀検定協会などの民間の機関が検査を行っています。
2019(平成31)年3月末現在の平成30年度登録検査機関の登録状況は1,734機関で、登録検査員数は19,082人です。
(一財)日本米穀検定協会では、第3者機関として農産物検査を行うほか、食味ランキング試験、輸入雑穀類検定、米の食味官能試験、計量証明検査などさまざまな検査を行っています。
詳細はこちらの一般財団法人日本穀物検定協会のホームページをご覧ください。
食品の正しい計量のための東京都の取り組み
私たちのくらしで重要な食料品については、計量法により計量販売に適するものは計量販売するように努め、計量販売する際には正しく計量することを規定しています。
東京都計量検定所では、計量に使用する「はかり」などの計量器の正確性を担保するために、計量器の検定や定期検査を実施しています。これ以外にも、計量販売されている商品が正しく計量されているかを確認するため、お店などに立ち入り検査を行ったり、商品を買い取って検査を行ったりしています。
その結果問題が確認された場合には、お店に対して改善指導を行っています。
立入検査については、こちらの東京都計量検定所ホームページをご覧ください。
これに加えて、毎年、東京都消費生活調査員制度を利用して、都民100名に都内で販売される食品の計量調査を依頼しています。
この調査は、調査員にはかりを貸与して7月から12月の6か月間、毎月10点以上の食品の計量調査を行ってもらうものです。調査結果については、前述した立入検査の基礎資料とするほか、問題があると考えられる事業所については立入検査を実施するなどして確認を行っています。
東京都消費生活調査員については、こちらをご覧ください。
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